「モバイルバッテリーがぷっくり膨らんでいる。これ、どうしたらいい?」と気づくと、かなり焦りますよね。まず大切なのは、捨てる場所を探す前に、いま近づいてよい状態かを見ることです。
煙や炎、触れられないほどの熱、刺激のあるにおいがあるなら、ケーブルを抜いたり外へ運んだりせず、離れて119番へ。そうした切迫した変化が見当たらず、安全に操作できる状態でも、充電と使用は止めます。そのあとで、住んでいる自治体の公式案内を確認しましょう。
この記事は2026年9月2日時点の公式情報をもとにしています。記事中の画像は説明用に作った一般的なイメージで、実在の商品や行政・回収団体・販売サイトの画面ではありません。
まず状態を確認|最初の1分で対応を分ける
最初に、少し離れた位置から状態を見ます。ここで「緊急時」と「切迫した変化が見当たらないとき」を分けます。
- 煙、炎、異常な熱、刺激のあるにおいがある: 触らず離れ、安全を確保して119番へ
- 上の変化は見当たらない: 安全にできる範囲で充電と使用を止め、触る回数を増やさない
- どちらか判断しづらい: 無理に近づかず、119番や地域の消防機関へ状況を伝えて判断を仰ぐ
経済産業省の製品安全案内でも、衝撃・圧力・高温を避け、異常な熱や膨張があれば使用と充電を中止するよう案内しています。また、国の総合対策では、捨てる前に正しい廃棄方法を確認することが基本になっています(経済産業省「リチウムイオン電池総合対策ポータルサイト」を公開します)。

上の図は、安全にできる場合だけ充電を止める、触らず距離を取る、電話で確認する、指定された窓口へ相談するという順番のイメージです。煙や炎、異常な熱がある製品を、自分で窓口まで運ぶ案内ではありません。
煙・炎・異常な熱があるなら、処分より避難を優先
もし今、煙や炎が出ている、触れられないほど熱い、刺激のあるにおいがする、といった状態なら、処分の相談より先に自分と周りの人の安全を確保してください。
この状態では、袋や容器へ入れようとしたり、屋外へ運ぼうとしたり、ケーブルを抜こうと近づいたりしません。NITEの「夏バテ(夏のバッテリー)にご用心」は、煙や炎が噴き出しているときは近寄らず、対処が難しい場合は安全確保を第一に119番通報するよう案内しています。
「小さい製品だから自分で何とかできそう」と思っても、無理はしないでください。状態を119番へ伝え、現場の指示を優先します。
膨張だけに見えても、使用と充電は再開しない
煙や炎などが見当たらず、本体が冷えているように見えても、安全を保証できる状態ではありません。使い続けたり、残量を減らすために再び電源を入れたり、もう一度充電したりしないでください。
特に避けたいのは、次の扱いです。
- 押して元の形へ戻そうとする
- 穴を開ける、分解して電池を取り出す
- テープやひもで強く締める
- 上へ物を載せる、落とす、曲げる
- 高温になる車内や直射日光の当たる場所へ置く
JBRCの不要電池の出し方でも、モバイルバッテリーは分解せず本体のまま扱うよう示されています。処分先が決まるまでは、自己判断で加工せず、自治体・メーカー・販売店の案内を確認することに集中しましょう。
膨張品はJBRCの通常回収ボックスへ入れない
「充電式電池なら、家電量販店などの回収ボックスへ入れればよいのでは?」と思いますよね。ただし、膨張したものはJBRCの通常回収対象外です。
JBRCの回収対象・対象外説明には、外装が破損・変形・膨張・液漏れしたものは回収できないと明記されています。NITEのごみ捨て火災に関する注意喚起でも、JBRCへ持ち込む対象は、会員企業の電池で表面にリサイクルマークがあり、破損・変形のないものとされています。
ですから、膨張品を無人の回収ボックスへ入れないでください。一方で、JBRCの通常回収対象外だからといって、すべてのメーカーや販売店が受け付けないとは限りません。独自の回収方法があるか、事前に問い合わせる余地はあります。
自治体の公式ルールを探す
ここが一番大事です。膨張したモバイルバッテリーの排出方法は全国共通ではありません。環境省のリチウムイオン電池火災防止啓発ページも、住んでいる地域の捨て方ルールを確認するよう案内しています。
検索するときは、次の形にすると見つけやすくなります。
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自治体名 膨張 モバイルバッテリー 処分
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検索結果では、自治体の公式ドメインかを確認してください。まとめサイトの説明だけで決めず、自治体のごみ・リサイクル担当ページまで開きます。公式ページが見つからない、膨張品への説明がない、内容が古そうという場合は、自治体のごみ相談窓口へ直接確認します。
環境省の市町村向け対策集は、自治体に対し、メーカー等の自主回収対象外品や膨張・変形品を含めた排出方法を住民へ示すよう求めています。これは全国一律の出し方を決めたものではなく、居住自治体の案内を確かめる根拠です。

図は、公式ページを探し、電話で受入条件を聞き、指定された窓口へ相談するまでの確認順です。実際の持込先や収集方法は、自治体から案内された内容に従ってください。
自治体で本当に違う|3地域の例
「自治体ごとに違う」と言われても、ピンとこないかもしれません。実際の例を3つ見ると、違いが分かります。
- 横浜市: 膨張・破損したものは集積場所へ出さず、各区の資源循環局事務所へ直接持ち込む案内です(横浜市の案内)
- 杉並区: 膨張した電池単体や、電池が膨張した製品は、回収ボックスではなく区が示す清掃関連施設へ持参する案内です(杉並区の案内)
- 八王子市: 膨張・変形品は、端子を絶縁して有害ごみの日に出す案内です(八王子市のFAQ)
この3例だけでも、持込先や収集日に出せるかどうかが異なります。ほかの自治体に住んでいる場合は、このどれかをまねせず、自分の自治体の現行ルールを確認してください。
持ち出す前に聞く5項目
自治体やメーカー、販売店へ連絡するときは、次の5点を聞くと話が早いです。
- 膨張したモバイルバッテリーを受け付けるか
- 持込先または収集方法はどれか
- 受付日時または収集日はいつか
- 端子、袋、容器など、持ち出す前に必要な処置はあるか
- 待機中や移動前に熱・におい・煙が出たら、どこへ連絡するか
端子の絶縁、袋、容器、運び方は自治体によって異なります。先に自己流で包んだりテープを貼ったりせず、状態を伝えて指示を聞いてから動きます。発熱や煙がある場合は、持参の相談ではなく緊急時として119番へ伝えてください。
回収先が決まるまでの扱い
すぐに回収へ出せない場合もあります。待っている間も、充電や使用を再開せず、衝撃・圧力・高温を避けます。置き場所を変えるために触ること自体が不安なら、無理に動かさず、自治体や消防機関へ現在の状態と場所を伝えて指示を受けてください。
一般的な注意点は次のとおりです。
- 紙、布、カーテンなど燃えやすいものを近づけない
- 直射日光や高温になる場所を避ける
- 上に物を載せたり、狭い場所へ押し込んだりしない
- 他のごみと一緒にしない
政府広報オンラインでも、市区町村のルールを必ず確認し、誤った分別でごみ処理施設や収集運搬車の火災を起こさないよう案内しています。
自己判断でやらないこと
不安だと、早く見えない場所へ片づけたくなります。でも、次の行動は避けてください。
- 自治体の明示がないまま、可燃・不燃など通常のごみに混ぜる
- 家電店などの通常のJBRC回収ボックスへ入れる
- 受入確認をせず、自治体・店舗・メーカーの窓口へ持ち込む
- 郵便や宅配便で送る
- 押す、曲げる、穴を開ける、分解する
- 残量を減らす目的で使う、再充電する
- 発煙・発火時の対処を、膨張しただけの製品へ自己判断で流用する
運送事業者が膨張品を引き受けるかは個別条件です。この記事では送付を案内しません。メーカーなどから返送方法を案内された場合も、膨張していることを伝え、指定された手順と運送条件を確認してください。
大量の水・消火後の水没は「発火時だけ」の案内
ネットで「大量の水をかける」「水へ沈める」という説明を見かけることがあります。NITEの注意資料では、煙や炎が出ている間は近寄らず、ポケットに入る程度の小型品で火花が収まったあと、安全に対応できる場合に大量の水をかけ、消火後は可能な限り水没させた状態で消防機関へ通報するよう案内しています。難しい場合は身の安全を優先して119番です。
これは発火してしまった場合の限定的な案内です。火が出ていない膨張品を、予防のために水へ沈める説明ではありません。水濡れ品もJBRCの通常回収対象外になるため、平常時の保管方法へ置き換えないでください。
そのまま使える確認チェックリスト
上から順に確認できるようにまとめました。
- [ ] 離れた位置から、煙・炎・異常な熱・刺激のあるにおいがないか確認した
- [ ] 危険な変化があれば触らず離れ、119番へ状況を伝えた
- [ ] 安全にできる状態なら、充電と使用を止めた
- [ ] 押す・曲げる・穴を開ける・分解する・再充電する行動をしていない
- [ ] 通常のJBRC回収ボックスや、自治体の明示がない通常ごみへ入れていない
- [ ]
自治体名 膨張 モバイルバッテリー 処分で公式ページを探した - [ ] 受入可否、場所・方法、日時、持ち方、異常時の連絡先を確認した
- [ ] 回収まで、衝撃・圧力・高温・可燃物を避けている
- [ ] 受入・運送条件が分からないまま持参や郵送をしていない
よくある質問
膨らんでいるけれど、まだ充電できます。使い続けてもいいですか?
使うのは止めてください。充電できるかどうかは、安全かどうかの判定にはなりません。経済産業省の製品安全案内では、膨張や異常な熱があれば使用と充電を中止するよう案内しています。
家電量販店の電池回収ボックスへ入れてもいいですか?
膨張・変形・破損したものは、JBRCの通常回収対象外です。無人ボックスへ入れず、自治体、メーカー、販売店へ膨張していることを伝え、別の受入方法があるか確認してください。
とりあえず不燃ごみに出してもいいですか?
自己判断では出さないでください。自治体によって分別方法が違い、不燃ごみとは限りません。自治体の公式ページで膨張品の扱いを確認し、説明がなければごみ相談窓口へ連絡します。
リコール品かどうかも調べたほうがいいですか?
本体の型番を安全に読める状態なら、メーカーの重要なお知らせや回収情報を確認する意味があります。型番とリコール情報を確認するに手順をまとめています。ただし、確認のために膨張した外装を押したり分解したりしないでください。PSEマークがあっても、膨張後の継続使用が安全という意味にはなりません。
処分が終わったあとに買い替えるなら、容量や重さ、口コミ、安全情報、価格・送料をまとめた買い替え前の8商品比較も確認できます。いまはまず、危険な変化がないかを見て、通常の回収ボックスへ入れず、居住自治体の案内を確かめるところまで進めましょう。


